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04:言葉の真意

自己満足のチャレ小説の続きです。
本当は書き溜めていた分だったのですが、疲れていてなかなか更新ができませんでした。

今回はIA1まで。
…そういえば言ってませんでしたが、主はチャレ両方やってますが、
どっちかというと始動民なので、モデルは「始動」です。

IAの5分休憩…PSO2は1時間で1日時間経過するようですので、それにあてはめると、
実質2時間休憩という事なのかもしれません。
「IA短いなぁ」とは思ってましたが、戦闘訓練中の2時間って考えると、そうでもないのかも。

…ところで「インターバルエリアになります」っていう日本語は、公式からですが…
「こちら、メニューになります」のバイト用語と同じで、少しおかしい気がするのですけど…
つっこんだら負けですかね。

「インターバルエリアに入りました」とか…「インターバルエリアです」が正しい気がする…
と、文章を書きながら思いましたとさ。


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その傷跡に芽吹く花
04:言葉の真意



「ゼェ、ハァ、ゼェ……」

心臓が破れそうなほどの激しい呼吸。
走り抜けた先は薄暗い火山エリアとは程遠く、強烈に日差しのまぶしい砂漠地帯だった。

「…今度は惑星リリーパか」

荒い呼吸を整えながら、思わず呟く。
眼前には乾いた大地。
照りつける日差しは肌を焼くように熱いが、湿度が高くないためだろう…さほど不快感は感じない。

『インターバルエリアになります』

周囲に映し出される仮想現実を確かめたところで、機械的なアナウンスが流れた。
とりあえずは安全らしい。
中央に設置された施設に掲げられる大きなタイマーが動き始める。
…おそらくは安全が保障されている時間だろう。
おおよそ2時間といったところだろうか。

「……短いな」

ガクガクと再び震えだす足に気が付いて、それを隠すように座り込む。
情けない話だが、先ほどのバーン・ドラール―――…あれは本当に恐ろしかった。
前線に立たず、安全地帯で過ごす事に慣れてしまっていた自分にとって、
向けられる敵意の重さを感じるのは実に久しい。

……立ち直れるだろうか。たった2時間で。
理性で「この感覚にとらわれるのはマズイ」とわかっているのに、
自身の受けた心の恐怖が絶大であるのは疑いようが無かった。

早鐘を打つ心音に、不安が募る。
ごまかすように大きく息を吐くと、身体の奥から不快感が少しだけ消えた気がした。

「そういえば、中毒症状は消えているな」

火山エリア特有の試練だったのかもしれない。
自分の状態を一つ一つ確認しながら、ゆっくりと精神を落ち着ける。
緊張から来る吐き気はあるものの、思考が定まらなくなるような異常な体調不良が消えた事には安堵した。
あの状態がこの先ずっと続くかと思うと、耐えられたかどうかわからない。

「…………」

しかし、頭が徐々に働くようになると、その分不安が増してくる。
火山エリアと、このインターバルをつなぐ通路は一方通行だ。
一度通過してしまえばロックされ、何があっても逆走はできない仕組みらしい。
…あの後、暁はどうしただろうか?
まだ顔を見せない彼を思うと、急に心細くなった。



「ヤッパリだ。予想通りの不合格野郎」

出口を眺め、10分ほど。
ひたすらに長く感じた時間が終わりを告げ、ようやく暁が嫌味たっぷりの一声と共に
インターバルエリアへと足を踏み入れた。

無事だった……心の底から安堵する。
だがその安心もつかの間。
彼が苛立ちに頭をかいた瞬間に除いた腕は、赤く焼けただれたような痕が残っていた。

「その腕…!」

慌てて立ち上がり、彼の腕をとる。
しかし、すぐにその手をはじかれた。
…痛い。

「話を逸らすな」

強い視線に射抜かれて、居心地が悪くなる。

「言い訳があるなら聞いてやるが、今更そんなもんは無いよな? 腰抜け。
 何も考えずに走る事すらできないとは流石の俺も開いた口がふさがらない」

焼けただれた腕が真っ直ぐ伸びて、俺の胸に触れた。
ドクドクと鳴り続ける恐怖の音が、偽りようもなく響く。

「休憩中にもかかわらず、随分早いな、お前の鼓動は」

勝手に人の緊張を確かめておいて随分な言い草だ。
虚勢を張ることすら許してくれそうも無い彼の物言いに、一瞬口ごもる。

「…君が平気で女の子にもこういう事をするなら、改めた方がいいぞ」
「それで抵抗してるつもりか? まぁお前にはそんなシケた事しか言いようもないんだろうが……
 どうせ抵抗するなら、もっとマシな抵抗してみろよ。
 それとも自分が女の子のつもりだったのか? そりゃ初耳だ」

俺の苦しい抵抗が気に入らなかったのだろう。
ドンと、そのまま胸を強く押され、俺の身体は再び地面へ尻餅をつくように倒れこむ。
馬鹿にされているとわかっていながら、言い返せない。

「どうせなりきるなら、せめてお人形さんになってくれ」
「……君は俺に、何もするなと言いたいのか?」
「ああそうだ。余計な仕事を増やす相手といるよりは、
 まだお人形さん遊びをしてる方が気が楽だからな。
 なんなら着せ替えドレスくらい買ってやるぞ?」
「結構だ」

嫌味を言わせたら彼の右に出るものはいないのではないだろうか?
わざと演技がかった言い方をしてみせる彼の嫌味のバリエーションに、
呆れを通り越していっそ感心してしまう。

「遠慮するなよ、俺も助かる話だ」
「俺は困る。それでは訓練にならないだろう」
「知ったことか。俺はお前の実績のためにチャレンジやってるわけじゃない」

中央のタイマーを確認して大きくため息をつくと、暁はドサリと地面に座り込んだ。
そうして、嗜好品の持ち込みは問題なかったのだろう…タバコに火をつける。

「チッ…味がしねぇ」

一息だけ吸うと、暁は苛立ちに顔をしかめた。
そのまま地面に無理やりタバコを押し付ける。
ほとんど吸われていない綺麗なタバコが、くしゃりとつぶれて最後の煙をあげた。

「…なら君は、なんのためにこの訓練を受けている?」

暁がタバコを消し潰したところで問い返す。
一瞬、暁の動きが止まった。
もともと俺のためでないことは明白なのだから、返ってくるであろう皮肉は大体予想がついていたのだが……
それでも問うたのは、苦し紛れの抵抗半分、彼の嫌みに対する、ちょっとした嫌がらせもあったのかもしれない。

しかし、思いの外……彼にとっては触れられたくない事だったのだろう。
ほんの僅かに視線が揺れたかと思うと、次の瞬間、強烈な敵意が向けられる。
そこからたっぷり1時間以上…意外なことに、返事はおろか、嫌味の一つも返ってはこなかった。



無言の時間がしばらく続き、中央のタイマーが残り30分を切った頃、
異様な居心地の悪さを断ち切るように、ようやく暁が口を開いた。

「次のエリアは常に俺が先行する。間違っても俺より前に出てくれるなよ」

用件だけを突きつけたその物言いに、火山エリアで彼が言い放った言葉が重なる。
相変わらずだ。
これだけ言っても、彼はやはり、俺にただ言う事を聞いて後ろからついてくるだけの役割を求めているらしい。
心底呆れたが、おそらく何を言っても無駄なのだろう。
俺は彼の言葉を脳内で復唱し、せめて心の中で悪態の一つでもついてやろうと考えて―――…

「…あれ?」

ふと、思考が止まった。
暁は一体どういう意図で俺に言葉を向けていたのだろう…?
よくよく考えてみると、彼の言葉には不可解な点がある。

たとえば、火山エリアでかけられた『何も考えずに走れ』という言葉。
一見して人格否定ともとれるその言葉は、実際俺自身もそう捉えたのだが……
起こった事を考えると、本当に彼が言いたかった事はそのとおりだったのか、断定はできない。

もしもあの時、言われるまま何も考えず、あのエリアを走りぬける事ができていたとしたら?
おそらく俺は、恐怖に駆られ足をすくませる事もなく、
インターバルに入ってまで思いつめるほどの恐怖も、味わわなくて済んだのではないだろうか。

余計な事は考えるな。

それがもし、人格の否定ではなく、警告だったとするならば。
先ほど彼が言った、次のエリアに対する言葉…『先行するな』とはつまり、
無知な人間が先行するのは危険なエリアだという警告とも考えられる。

「余計な仕事をふやさない人形で居てくれ」とはつまり、勝手に動かれると危険だという事だ。
事実、あれだけ散々な言葉をかけた癖に、彼は次のエリアに対し、「何も考えずについてこい」とは言わなかった。
思考の放棄は指示しなかった。
その言葉をかけるチャンスも、タイミングも、話の流れもすべて揃っていたにも関わらず。


「あぁ、俺もまだまだ人生経験が足りない」

すぐにその事を察して、彼の不器用な優しさを汲み取れるほど、
俺はまだ、人生経験が豊富ではないという事か。
自身の未熟さに思わず苦笑する。

「…暁、もう少しわかりやすい言葉を選んでくれないか。
 君の優しさを汲み取れるほど、俺はまだ人間が出来ていない」
「は? 優しさ? 頭でもぶつけたか? でなけりゃ、ついに気でも狂ったか。
 勘弁してくれ、これ以上お荷物背負う余裕はないぞ」

彼の真意が見えた今、息を吐くように返ってくる嫌味は、もう気にならなかった。

「ついでに、照れ隠しにも言葉を選んでくれると助かるんだけどな」
「…話が見えない」

何の裏も無い笑顔を返すと、暁は不快感を隠そうともせず、一層眉をよせる。

「俺はエスパーじゃないんだ、なぜその結論に至ったのか、お前が罵倒されたいドMじゃないなら説明くらいしてくれ」
「君の言葉の別の意味に気が付いた」
「別? 俺はこれ以上ないほどわかりやすく話したつもりだが、
 まさかお前、あんな単純な言葉の意味も理解できてなかったのか?」
「そうだな、君が俺を想って言ってくれた言葉だったのに、悪かった。
 今までのは全部、俺のために言ってくれた言葉だったんだろう?」

暁がもし、付き合い長い友人で、俺が彼を全面的に信頼していたとしたら。
きっと彼が何を言おうと、どんな言葉を選ぼうと、俺はそれを信用しただろう。
その言葉には意味がある、俺を想っての言葉なのだと。

しかし、俺は彼の言葉から悪意を見出してしまった。
それは多分、俺が彼を信用していなかったからだ。

彼の言葉選びに問題がある事や、出会った時間の短さは関係ない。
それはまた別の問題で、俺自身が彼を信用していなかった事実は覆らないのだから。

「俺は多分、君を信用していなかった。君を頼りたいと言ったのは俺の方なのにな」
「…お前の頭の中はお花畑か? 随分おめでたい思考回路で、いっそ羨ましい。
 俺が言葉どおりお前を邪魔だと思ってるとは思わないのか」
「これでも人を見る目はあるつもりでね」

戦う事に特化してこなかった分、色々な人間を見てきている。
その経験は多分、偏った世界で生きる人間しか目にしていない暁よりは上だろう。

「君は人に真っ直ぐ優しさを向けるのは苦手か?」

一瞬暁が言葉につまる。
暗く影の落ちた表情に、図星だと悟った。
しかし、その意図はおそらく、子供じみた単なる照れ隠しだけではないのだろう。
思いつめたような表情が、もっと根の深い何かからくるものなのだと訴える。
……部外者でしかない自分に、これ以上の追求は不可能だ。

「随分と悟ったような口を聞くな」
「君より年上だからじゃないか? 人生経験の差だ」
「力も経験も俺に敵わないくせに、言うに事欠いて人生経験だ?
 そう言ってれば、お前の年上ってプライドが保たれるのか。
 結構なことだ。好きなだけやってくれ」
「君の嫌味のボギャブラリーの多さには舌をまくよ」

俺が彼を信用していなかった点は反省するとして、この言葉のチョイスだけはなんとかして貰いたい。
いちいち彼の真意をさぐりながら行動を共にするのは、少しばかり疲れてしまう。
…まぁ、それを望むのは難しいかもしれないが。

「言葉はアレだが、俺は君に守られていたんだな。
 今更の話だが……ありがとう。感謝している」

真っ直ぐに言葉を向けると、彼は暁は心底辛そうに……追い詰められたような表情をして。


「…やめろ」


今まで聞いたどの声よりも悲痛な声で呟いた。
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ガンナーに憧れつつ、
主にテクターやってます。
サブFoからSuに転向しました。
メインとサブクラスLV.80!
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マトイちゃんとリリーパをこよなく愛す、
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