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小説:07「死亡フラグ」

チャレンジクエストを題材にした二次創作小説第二弾。

小説進めるのが早くて、フレンドに心配された主です、こんにちは。
安心してください(?)、ストックはあと1話…それ以降はゆっくり進めます。
…といっても、残り終盤だけなんですが。

小説を書くと決めた時、最初にどんな話を書くか決めたと言った気がしますが、
このエピソードも入れるつもりでおりました。
そしたらいきなり1話公開の時点で「この金髪死にそう」と言われてしまい……
ちょっと焦ったものです。(笑)

今後の展開、かすってるやん…!

実際本当はどうなってしまうのかは、今後においといて…よければ続き、お楽しみください。


↓↓ 折り畳み記事で小説本編へ


その約束が繋ぐ先
07:死亡フラグ


「しっかし、ほんまにすごいな……」

ミッション9の森林エリアを駆け抜けながら、アドルフが感嘆の息を吐いた。

この極限状態だ…一つも手を抜けないと踏んだのだろう。
一騎当千……暁は出現してくるエネミーを、最前線で一刀のもとに切り伏せる。
霧散していくエネミーを前に、俺とアドルフはただ彼の背を追う事しかできなかった。

「ほんまに戦いながら走ってんのか? 後ろついてくだけで大変やで」

アドルフはそう言って笑うが、実際彼にはまだ余裕があるのだろう。
俺と違って息が切れた様子はない。
大方、一度氷漬けになった俺を気遣い、その速度に合わせてくれていると言ったところだろうか。
それを全く感じさせずに言うのだから、やはり優しい人だなと思う。
彼の優しさに励まされ、俺は真っすぐ暁の背に視線を向けた。


―――…ミッション9の森林エリア。
それは忘れもしない、暁のトラウマ。

彼が利き腕を失い、俺が死の淵を彷徨った場所。

そんな場所で、彼を先頭に立たせていいものかとも思ったが、
暁にあの時のような鬼気迫る影は見当たらない。

彼はここで、かつて愛した女性を亡くしている。
彼にとっては、人生を変えてしまったほどのトラウマだ。
そんなものを簡単に克服したりはできないだろうし、ましてや消え去る事などありはしない。

それでも彼は十分すぎるほど冷静で―――…
多分、いつの間にか彼は、自分の中で何らかの折り合いをつけたのだろう。
よほどの何かが起きなければ、取り乱す事はなさそうだった。
強い男だなと、改めて思う。


「イイ子で寝てろよ、クソ猫ども!」


そうして、問題の最深部…。
森林エリアを闊歩する3匹の獅子を前にして、暁は盛大に刀を振るった。

キンッ!!!!
光の速さをも連想させる一瞬の納刀術。
そこから発せられる、広範囲の衝撃波。

それは暁から距離の離れた俺達の耳にも届き、ビリビリと身体を揺らす。
…それを間近で受けたエネミーはたまったものではなかっただろう。
鼓膜が破れたのか、思わずバタリと地面に頭を垂れたその瞬間、
暁は地面を蹴りあげ、強烈な一撃を脳天から一気に食らわせた。

かつて苦戦させられたはずのそれが、まるで一時の悪い夢だったかのように消えていく。
同時に、最後のインターバルへ続くゲートが開かれた。


***


怖いくらいに調子がいい。
最初、感覚を失った右手で近接武器を握るのははばかられたはずなのだが、
そんなもの…今は全く感じなかった。

いくら俺がこの訓練に慣れているとはいっても、物資が普段以上に制限され、
急に訪れた9番目のエリア。
こんなに楽に事が進むと、かえって不安が募ってしまう。

以前コウとこの訓練を終えたあの時に、トラウマ自体は克服とまではいかなくとも
ある程度の折り合いをつけられたとは思っている。
だから今更……またコウが俺を庇おうだなんて身の程知らずな事をしない限りは、
取り乱したりしないだろう。

いたって冷静。
だから、このエリアの最深部にいる3匹のエネミーを俺一人で倒す事も、
可能だろうとは思っていた。

…だが、可能だと思っていただけで、苦戦を強いられるであろう事は
ある程度想像に難くない。
それでもやり切る自信があったから、後ろでトロトロ走る彼らよりも先行し、
この場に一人乗りこんでやったのだが……。
まさかこんなにあっさり片が付くとは。

「この先、厄介なことがなけりゃいいけどな……」

ここまで調子がいいと、逆に何かの切っ掛けで調子が狂った瞬間、
一気に今までのしっぺ返しを喰らいそうだ。
…訓練踏破まで、残すところあと1つ……頼むから、これ以上の厄介ごとは持ち込んでくれるなよ。



「さて、ここからインターバルだが、さっきの事を忘れてないだろうな? 気をつけろよ」

俺は握っていた刀をベルトに差し込むように固定して、インターバルへ続くゲートをくぐりながら、
後ろを追ってきた二人に釘を刺す。

ミッション8にしてもミッション9にしても…手にできる物資の影響から
難易度は恐ろしく上がっていたが、それでも訓練内容は普段と変わらず、いたって平凡なものだった。

コウを氷塊に変えるような想定外の事態や、中間の訓練をすっ飛ばし、ルートを変更するタイミングは
どうやらインターバル中にしかできないのだとあたりをつける。
つまり、本来一番安全であるべき場所が、今は一番危険な場所になっているわけだ。
おちおち気持ちも休められない。

「暁」

俺が最大限に気を張った瞬間、後ろで真面目なアドルフの声が飛んだ。
何事かと緊張を走らせる。

「めっちゃかっこよかったで。結婚しよう」

…今度こそ殺してやろうかと思った。
耳に届いた大真面目なアドルフの声に、頭の奥で何かがブチッと音を立てる。
先ほど片づけた刀に、思わず手がかかった。
さっきのクソ猫よろしく、今すぐこの場で脳天から頭蓋をかち割ってやろうか。

俺の強烈な殺意に気が付いたのか、コウが慌てたような表情を作る。
その間抜けな表情のおかげで、ギリギリのところを、俺は必死に理性で押しとどめた。

「…てめぇは人の話を聞いてたのか? 気をつけろって言ったよな? どこに馬鹿話する余裕があった?」
「あんまり気ぃはっとっても、この先バテてまうし、適度に息抜きして楽しもうや」
「今のこの状況が楽しめるとは、随分余裕だな、おい」
「余裕のある男やって? 照れるな~結婚しよか!」

今までの会話の雰囲気から、おそらくこの男は本来割と、場の空気が読める男だ。
にもかかわらず、しつこく俺の神経を逆撫でる発言を繰り返すという事は、
わざと言っているのだろう。
まともに言葉を交わしていたら、俺の精神が持ちそうにない。

「てめぇはコウ一筋になったんじゃなかったのか」

これ以上相手をしたところで何の得にもならないだろう。
俺はこの面倒な男の矛先を、やはり面倒な男へ適当に投げつける。
戦闘面で役に立たないなら、せめてこの場でくらい人柱になってもらわなければ。

「そういや、そうやった。コウくん、ここ出たらホテル行こか」

おい!
あまりに直球ドストレートなその発言に、思わず突っ込みを入れそうになった。
…駄目だ、この男の馬鹿な話は矛先を他人にふったくらいでは収まらない。
その声が聞こえてくるだけで、俺は神経を逆撫でられた気になった。

「…言っておくが、ついて行くなよコウ。
 お前が男でありながら処女を卒業したいって切な願いを持ってるなら知らないけどな」
「君は俺の保護者か? どちらかと言えば俺が君の保護者のような気でいたんだが」
「お前…よくそんな思い上がりができたな……怒りを通り越して感心する」
「俺も君に下半身のモラルを諭される日がこようとは思わなかったよ」

盛大に失礼なコウの言葉に、再び俺の怒りが増す。
…が、確かに今日に限っては、出会いがしらコイツに俺の下半身事情を見せつけてしまった手前
強くは言えない。
こいつが俺の保護者気取りであった事に関しては、強く意義を申し立てたいところだが。


「なぁ、アドルフさん」


しかしコウは、俺の苛立ちなど気にもしない風に、ふざけた言葉を吐き出したアドルフへと向き直った。

「どうして、『ここを出たら』なんだ?」
「え? コウくんは今すぐここがいいん? 見られながらが興奮するとか? 俺もするで!」
「いやいや、そうじゃなくて……。アドルフさんはいつもそういう言葉を使うが、
 越えちゃいけない一線はけっして越えない。俺は貴方を信用してる」
「うっ!」

面と向かって投げられる無条件の信用。
これもコウと共にいると、やりにくいと感じる場面だ。
彼の本質を掴む性質が、明確な理由をもって向けてくる信用。
それを、裏切れなくなってしまう。
真っすぐに投げかけられた言葉に、アドルフは言葉を詰まらせた。

「あぁ…でも確かにそうだな、言葉選びは直球過ぎたが、金髪。
 お前のソレは死亡フラグだ。このタイミングで言うあたり、死ぬぞ」

先ほどの礼もたっぷり込めて茶化してやると、アドルフは困ったように慌てて
たたずまいを直した。

「酷い言われようや!」
「『俺、この戦いが終わったら結婚するんだ』と何処が違うんだよ」
「誠実さがちゃうかな?」
「それは勿論、てめぇの方が軽薄だって意味だよな」
「うぅぅ…コウくん慰めて~…」

わざとらしく弱って見せたアドルフを、コウが困ったように受け止める。

……実際、死亡フラグなんてのは物語の中の話であって、現実にはあり得ない。
そんなものを口にしようがしまいが、死ぬ時は死ぬし、生きるときは生きる。
しかもその言葉を口にした相手がアドルフともなればなおさらだ。
彼に関していえば、四六時中死亡フラグを立てている事になる。
それでもしぶとく生きているのだから、やはり「死亡フラグ」なんてものはフィクションに過ぎない。

だがそれでも……。
現実のこの世界で、彼の今の言葉にだけ、死亡フラグが立ったように俺は一瞬考えてしまった。
多分コウも同じだったのだろう…彼の言葉に疑問を投げたのは、きっとそれが原因だったに違いない。

「あ、わかったで、俺の死因。きっとホテルで腹上死や!」

僅かに感じる嫌な予感を消し去るように、アドルフがそう言って飛び上がる。
コイツが馬鹿な分、空気が重くならないのはありがたいなと思った。
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名前 :コウ
人種 :ヒューマン/男性
メイン:Te/Su
Ship :10(現在8に旅行中)

チーム10:Rosen Kreuz(マネ)
チーム8:Re:Monster(コモン)

ガンナーに憧れつつ、
主にテクターやってます。
サブFoからSuに転向しました。
メインとサブクラスLV.80!
他クラスLV.75!

マトイちゃんとリリーパをこよなく愛す、
ファッションショーとSS撮影が
メインと化しているエンジョイ勢。

最低限迷惑にならない程度のプレイを
心がけつつ、楽しんでます。

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